『劉邦(りゅうほう)の宦官(かんがん)』(双葉社)本体1500円

2014年2月11日

劉邦の宦官

芥川賞作家の玄月教室で一緒に学んだ友人が、ついに作家デビューしました!

デビュー作は『劉邦(りゅうほう)の宦官(かんがん)』(双葉社)本体1500円

著者は、黒澤はゆま。

いきなりの歴史小説です。教室でご一緒していた頃から、中国の歴史小説が得意でしたが、本作でも、ずっしりと響く古代中国の歴史と、さらに濃密な少年愛を描いています。

「古代中国、漢の黎明期、劉家に二人の宦官がいた。一人は愛に生き、一人は政に生きた。二人は命懸けで愛し合い、そして憎しみあった—ー」

書き出しは……。
「今日は九月九日、重陽(ちょうよう)の節句の空気も澄んで、ここ安陵(あんりょう)から長安の未央宮(びおうきゅう)がよく見えます。
……(中略)
これからあそこで起きたことをお話しするのに、これ以上の場所と日和はないでしょう。
……」

です・ます調で書かれているので読みやすく、馴染みの薄い「漢字」にもついていける。何よりも、珍しい世界が描かれていて、じつに興味深い作品です。

単行本の帯から引用して内容を簡単に紹介しておきましょう。
≪紀元前二〇二年。
劉 邦は楚漢戦で項羽を破り、前漢の初代皇帝となった。その四年後、新たに都となった長安の長楽宮に、小青胡と張釈という二人の幼い少年が宦官として仕えた。 貧しい生まれの二人は宮殿での悲惨な生活のなか、強く惹かれ合う。やがて二人は太后・呂稚に挙用され、新たに築かれた未央宮の後宮に入り愛を深め合 う。……(以下略)≫

しかし、劉邦の死後、後継者争いが激化して2人の関係も変化して、「それは、待ち受ける悲劇の序章に過ぎなかった。」と、紹介されています。

宦官って何?
昔の中国で後宮に奉仕した、去勢された小役人のことですが、それを知るにも、素晴らしい一冊です。

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