小松成美著「熱狂宣言」(幻冬舎)

2016年8月15日

bookreview_nekkyoノンフィクションは、あくまで事実ですから、フィクションと違って感動の度合いが高まることが多い。そういう意味では、この単行本も感動的と言えるでしょう。外食産業のカリスマ社長を描いた作品です。

「外食業界のスター、東証一部上場企業の社長・松村厚久。圧倒的な情熱と才気で業界を革新し続け、さらなる飛躍を夢見る彼には、決定的な宿命があった。誰にも言わず、進行する若年性パーキンソン病と闘い続けていたのだ――。」

おそらく、松村社長をご存知の方は、涙なしでは読めないのではないでしょうか。当方は一度お会いしただけですが、本を読みながら、胸に熱いものがこみ上げてきました。

まさに「秘めた苦闘の日々を克明に綴る渾身のノンフィクション」です。著者は3年ほどを要して書き上げたそうですが、素晴らしい内容だと思いました。

目次は以下です。
序章  「1967」2周年パーティー
第1章 若年性パーキンソン病の告白
第2章 100店舗100業態という奇跡
第3章 高知での少年時代、憧れの東京
第4章 迷走の時代を越えて
第5章 素顔の松村厚久
第6章 外食産業のさらなる未来
終章  新たな治療、上場の鐘

本の中では、若年性パーキンソン病についても、詳しく触れられています。この病気について、当方もほとんど知識はなかったけれど、極めて危険な病気だと認識しましたし、「なぜ自分がこの病気になったのか。なぜ自分が選ばれたのか」という、松村氏の自問自答や苦闘も充分に理解ができます。あまりにも、切なく、哀しい。しかし、「何が起ころうと、絶対に屈しない。熱狂こそ、この試練への答えだ。」と、松村氏は語っています。

松村氏は飲食業界のカリスマ社長です。100店舗100業態という、偉業を成し遂げた人物。100店舗の業態がすべて異なり、100業態! 飲食業界ではチェーン展開が基本ですから、まったくの逆行。最初は批判的な意見も多かったようですが、それでも、東証一部上場企業にまで成長させていったのです。

健康体であれば、松村氏は「業界で1人勝ち」だったかもしれません。しかし……。
いや、そういう見方は単純すぎるかもしれないけれど…。

本の帯にも、こうあります。

「全身全霊で挑む
仕事があるという“幸運”が、病に襲われた松村にはあった。」

「必ずダイヤモンドダイニングを日本有数の企業に押し上げます。燃え盛る魂を失うくらいなら死んだ方がましです。
燃えて燃えて、仕事に打ち込みますよ。
私を苦しめるパーキンソン病との闘いも絶対に諦めません。
見ていてください、必ず勝利してみせますから」

夢は大きく、有言実行
遊びの中に仕事があり、仕事の中に遊びがある。強い信念と誇りを持って。Let’s Enjoy!!

そうです。夢は大きく、有言実行です!
勇気づけられる本でもあります。それにしても、幻冬舎は良い本を出すなあ。著者の筆力も大したものだけれどね。
(北代靖典)

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