新人賞について

文学賞には、大きく分けて二つの賞があります。一つは、新聞・雑誌・単行本などは発表済みの作品に対して与えられるもの。もう一つは、公募によって送られてきた未発表作品に与えられるもの。新人作家を発掘するための新人賞は後者で、新聞社系の賞や出版社系の賞など様々です。

受賞作品とは?

新人賞を受賞すると、プロデビューの足がかりとなります。長編小説などはほとんどが単行本化されています。短編でも、出版社から依頼がきたり、出版社とつながりが持てます。
ポプラ社の新人賞や小説現代新人賞(講談社)など、受賞後も出版社がバックアップしてくれる場合が多い。しかし、第二作が書けずに(出版できずに)、消えていく作家のほうが圧倒的に多いのが現実です。それでも、作家デビューを考えている人は増えています。

新人賞傾向と対策

  1. 1過去の受賞作品を読むこと。
    純文学か、エンタメか、ミステリーか、ホラーか。自分が応募しようとする新人賞の最近の受賞作を3作くらいは読む必要があります。
  2. 2長編か短編か?
    作家を目指す人は、長編を狙うこと。短編の賞を獲っても、単行本にならないので、デビューが遅れます。
  3. 3文章力について。
    基本的な文章力は必要ですが、多少は荒っぽくても、文章が下手でも大丈夫。新人賞は文章力ではないからです。
  4. 4作品のモチーフについて
    時事ネタはやめること。マスコミを賑わせた事件などは、すでに新聞や週刊誌などに書かれているため、新人賞応募作には不向きです。新しさがないので、一次で落とされる可能性が高いです。職業作家になってから、書くべきです。
  5. 5新人賞に応募したものの、一次でアウト。
    でも、その作品が忘れられず、もう一度書き直して同じ新人賞、もしくは別の新人賞に応募してもいいかどうか。一般的にはお勧め出来ませんが、問題はありません。書き直して素晴らしい作品に仕上げることができれば、いいわけです。

作家の原稿料と印税

原稿料の相場は?

原稿料の支払い方法は、様々です。小説の場合、400字詰め原稿用紙一枚につき幾らで計算されます。コラムやエッセイは一本の単価で支払われます。週刊誌や新聞なども一本幾らか、もしくは1ページ幾らかで計算されます。

小説の原稿料は、基本1枚3000円~4000円。 芥川賞や直木賞作家は1枚2万円というケースもあります。駆け出しの作家やライターは、1枚1000円だったりもします。
これらは紙媒体の原稿料で、ネットの場合はもっと安く、半額以下の場合が多いです。

印税は?

印税は、著作権使用料です。本を出版するために、出版社が著作者に支払うギャラのことです。著作権は書き手にあり、出版社は掲載権(出版権)があります。これは必ず契約書を取り交わします。印税は、単行本(文庫本)の定価の10パーセントが多く、出版部数(刷り部数)に応じて支払われるもの。出版物の売れ部数ではありません。

初めて出版される本を初版と言い、増刷された分を二版、三版といいます。版を重ねるごとに印税が支払われる仕組みになっています。

お問い合わせ

お問い合わせ