2014年5月26日
ここは創業して154年、道頓堀川にかつてあった浪芳橋のそばでだんご屋を営んでいたのが始まりです。6回ほど移転し、3年前に本店が今の場所に。
「15 年前から次の世代に伝えていくべく、だんごを進化させていってます」。こう話すのは、6代目社長の井上文孝さん(43 )。同店の人気商品のひとつが、3年前に販売を開始した『あぶりみたらし』です。従来のだんごを突き刺したものではなく、不思議な長方形になっている。

「京都とか東京とかいろんなところへ行って、見て食べて研究しながら、今の形になりました。普通の形のみたらしだんごにしたくなかったので、決定まで1年近くかかりました」(同)
これを主役の商品にしたいという強い思いが実り、半年で売り上げが一気に伸びたと言います。
だんごをこねて、せいろで蒸しあげる。タレは利尻のこんぶだしです。和歌山のいわさのたまり醤油を使っていて、風味もいい。串も一個一個、手で刺している。

日持ちは当日中ですが、出来立てのほかほかは絶品。柔らかいもちの感触に、独特の甘いたれが絡まり、思わず舌鼓を打つほどで、記憶にしっかりと残る。この旨さは大人も子供も病み付きになりますよ。
(文責・北代靖典)
※「大阪民主新報」(週刊紙)で1年間連載させて頂いたものを、加筆訂正して再録したものです