2012年2月25日
船井幸雄著
「人財塾」(サンマーク出版)
2003年1月15日初版発行
著者は船井総合研究所会長。300余人の経営専門家を擁する、日本では最大級の経営コンサルタント会社の会長兼経営コンサルタントである。「人材」ではなく、「人財」という考え方に基づいて、産業界では経営指導の神様ともいわれている。
●人づくりの原点は、この五つから始まる
以下の5つをまず身につけないといけない、と著者は述べている。
①約束を守る。
②自主的にやる。
③逃げない。
④自慢しない。
⑤人の足を引っ張らない。
約束を守ることは、ビジネスマンとして当然のこと。自主的にやるというのは、自分に責任を持て、ということだ。逃げない、これはつまり直面した問題から逃げないということ。逃げると、危険は二倍になる。自慢しないは、いつも謙虚であれ、という意味。自慢すると、人から反発を買う恐れがあるからだ。周囲から高く評価されていれば、自慢する必要などない。最後は、人の足を引っ張ると、逆に引っ張られるというわけである。
「お金だけ」「自分だけ」「今だけ」――このような考えに囚われている経営者は、業績がどんどん悪化していく、とも述べています。
入社4年目の社員との対話(Q&A)が、おもしろい。
Q 私は「生意気だ」とよくいわれるのですが、どうしたらいいですか。
A 謝ればいい。
Q 若いとき、どんな勉強をされたのですか。
A 経営の本(大学などで使っているもの)、アメリカの経営学(MTP〈管理者訓練計画〉、TWI〈企業内訓練〉のトレーニング)。
Q どうすればプロになれるのですか。
A 目の前の仕事に全力投球すればいい。
わからないことは専門家に聞けばよい。
Q 若いとき、年配の方にはどういうアドバイスの仕方をされていましたか。
A 先方のおっしゃっていることを素直に認め、おだて、ほめる。
Q 自分の能力を判断するにはどうしたらよいですか。
A 相手を認めることができるかどうかが判断基準。
Q 二十代にやっておくべきこと。
A 目先のことはいいから一生懸命する→一生懸命にすると自分のためになる。聞くことをくせづけすること。
Q 商売の真髄とは?
A 世のため、人のためになり、それから自分のためになることを行う(順序を間違えるな)。
これから資本主義はますます行き詰る。そうなると、人財が最も大切だということになる。どのような人財かと言うと、世の中の変化に応じて、変化に適応しえる人間なのである。ダーウインの進化論には、「大変動期に生き残るのは、最強の種でもなければ、最も賢い種でもなく、変化しえた種族だけである」というようなポイントがある。
生き残るためには、変化に適応しえることが、大事なわけだ。
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